<米中間選>共和、トランプ色前面に 激戦区では「毒」にも(毎日新聞)

【ワシントン高本耕太】米中間選挙(11月6日)まで6日で2カ月となり、各候補・陣営の動きが本格化している。トランプ大統領も与党・共和党の候補を応援する集会を各地で開催し、2020年の次期大統領選も見据えた支持基盤固めを精力的に展開。だが、「トランプ色」を全開にした選挙戦略は、対立をあおる政治姿勢に嫌悪を抱く党内穏健派や無党派層を遠ざけているとの指摘もある。

 「投票日までに40回の集会を予定している」。ホワイトハウス高官は8月下旬、記者団に対し、トランプ氏が歴代大統領の活動量を上回るペースで激戦州を行脚する方針であることを明らかにした。

 上院選で激戦が伝えられる西部モンタナ州でトランプ氏は6日、「米国を再び偉大に」集会を開催。その後も南部テキサスやミシシッピ、中西部ウィスコンシンなど、16年大統領選で勝利した州を中心に遊説を予定する。多忙な大統領日程の半分近くを選挙に充てる「野心的なスケジュール」(高官)で、共和党支持者の間で根強い自身への支持を、党候補への投票に結びつけたい考えだ。

 またトランプ氏は党候補を決める予備選段階から、ツイッターを介し約30人の候補への推薦を表明。トランプ氏の後押しを受けた陣営は「トランプ直系」をアピールし、選挙戦を戦っている。ホワイトハウス高官は「トランプ氏が共和党にとって一番の政治資産。現職大統領の出身政党が不利との歴史に挑戦する」と息巻く。

 ただ、下院選の激戦区は都市部の郊外型選挙区が多く、トランプ氏の排外的・差別的な言動に嫌悪を抱く高学歴層、特に女性が勝敗のカギを握るとされる。バージニア大政治センターのラリー・サバト所長は「これらの地域では、トランプ氏を前面に押し出すことは『毒』になりかねない」と米メディアに指摘している。

 上院(定数100、任期6年)の構成は共和51(死去したマケイン上院議員の後任を含む)、民主49(無所属含む)。3分の1が改選で今回は補選と合わせ35議席が対象だ。その内訳は共和9、民主26で、民主が2議席を上積みすれば逆転する。選挙分析機関クック・ポリティカル・リポート(8月24日付)によると、共和は6議席、民主は21議席を確保する見通しで、残り8議席が接戦という。

 下院(定数435、欠員6、任期2年)は全議席が改選対象。現有議席は共和236に対し民主193。クックは共和が202、民主が192を確保するとの見通しで、接戦は41選挙区と伝えているが、民主が多数派の座を奪還する可能性が高いとの見方を示す専門家も多い。

8月仏サービスPMI改定値は55.4に上昇 速報値からは下方改定(ロイター)

[パリ 5日 ロイター] - IHSマークイットが5日発表した8月の仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値は55.4と速報値の55.7から下方改定されたが、7月の54.9から上昇した。

景況感の改善と悪化の分かれ目の50も大きく上回った。

製造部門とサービス部門を合わせた8月の総合PMI改定値も54.9と、速報値の55.1から下方改定されたが、7月の54.4から上昇した。

IHSマークイットのトレバー・バルチン氏は「8月はサービスセクターにおける新規事業と雇用が共に一段と上昇した。ただ、サービスセクターの景況感を示す指標が19カ月ぶりの低水準に落ち込んでおり、長期見通しに対する楽観的な見方は後退している」と述べた。

<米中間選>トランプ対サンダース代理戦争 フロリダ知事選(毎日新聞)

【ワシントン高本耕太】11月6日実施の米中間選挙で南部フロリダ州の知事選が注目されている。トランプ大統領への忠誠を誓う共和党候補に対し、民主党バーニー・サンダース上院議員ら民主社会主義者グループの支援を受ける革新候補が党の指名を獲得。共に熱烈な支持層を抱えるトランプ対サンダースの「代理戦争」の構図となっている。

 「穏健派でないと勝てないと批判するが、我が党はこの州で20年間負け続けてきたではないか」。8月27日にマイアミ市郊外で行った演説で、民主党候補で州都タラハシー市長のアンドリュー・ギラム氏(39)は強調した。国民皆保険や銃規制強化を公約に掲げ、ロシア疑惑を巡るトランプ氏弾劾も支持。こうした主張が「革新的過ぎる」との批判に反論した形だ。フロリダは保守的な地域も多く2016年大統領選ではトランプ氏が制した。

 その大統領選でクリントン候補と民主党の指名を最後まで争ったサンダース氏らの支援を受け、事前の情勢調査で一時4位の劣勢をひっくり返し党予備選を制した。「すべての人々への政治を実現したい」とフロリダ州初の黒人知事を目指す。

 一方、共和党候補のロン・デサンティス下院議員(39)は、トランプ氏の強硬な移民政策やイラン核合意離脱を称賛。「親トランプ」を前面に押し出し、支持を広げている。党指名を獲得した8月28日の演説では「大統領に感謝したい」と繰り返した。トランプ氏もツイッターでデサンティス氏支持を表明、ギラム氏の市政運営を厳しく批判するなど、「参戦」している。

 歴史的に大統領選で激戦州となってきたフロリダ州の知事選は、両党にとって20年大統領選を見据えた足場固めの意味でも重要な選挙。また両候補は共に、それぞれの党で反主流派に属する勢力から支持を受けていることから、既存の政治システムに不満を抱く「アウトサイダー」同士の対決としても関心を集める。米紙ワシントン・ポストは「両党がそれぞれの許容度を試される選挙だ」と指摘した。

<もんじゅ>ERSSへのデータ送信一時停止 台風が原因か(毎日新聞)

原子力規制庁は5日、高速増殖原型炉もんじゅ福井県敦賀市)から国の緊急時対策支援システム(ERSS)へ、原子炉の温度や圧力のデータを自動で送っている回線が一時停止したと発表した。台風21号が原因とみられる。廃炉に伴い、先月開始した核燃料の取り出し作業に影響はないという。

 もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構によると、5日午前3時ごろにデータ送信が停止した。同8時40分ごろに復旧したが、同9時ごろに再び停止した。台風21号の風雨で、回線中継局の機材が故障して停電したことが原因とみられる。同日午後1時半ごろに復旧したが、原子力機構はそれまで、電話やファクスでデータを規制庁に報告した。

 また、日本原燃再処理工場(青森県六ケ所村)でも同日午前5時50分ごろから約5時間、ERSSへのデータ送信が停止。屋内の送信機器が故障していたため、原燃が機器を交換して復旧させた。台風とは関係ないとみられ、原因を調査している。

 規制庁によると、同様のデータ送信停止は今年5件目。原子力規制委員会の更田豊志委員長は会見で「ハード面や訓練なども含め、問題の洗い出しを続ける必要がある」と述べた。【岩間理紀】

独レーウ監督「扉は自分で閉じた」代表引退のエジル(日刊スポーツ)

ドイツ代表のヨアヒム・レーウ監督は、同国代表引退を表明したアーセナルMFメスト・エジル(29)に何度も電話をかけてコンタクトを取ろうとしたが、つながることはなかったと、5日付の独紙ビルトが報じた。

エジルは「人種差別や敬意のなさを感じている限り」プレーはしないと、自身のツイッターにつづっており、同国代表からの引退を表明。これに対してレーウ監督は、スポーツビルト誌のインタビューに「メスト・エジルは私からすれば明らかな代表引退を明かしている。扉は彼が自分で閉じた。復帰はテーマにはならない」と現時点で代表復帰は現実的ではないことを明かした。

さらに、何度も電話をしているにもかかわらず、エジルが自分からではなく、代理人に電話をさせたことに対して失望しているという。

スポンサーのアディダスは代表騒動に依存されずにエジルをサポートする意向を表明している。アディダスPRダイレクターのブリュッゲン氏は「エジルが今後、ドイツ代表でプレーしないのは残念です。メーカーメッセンジャーとして今後も、アディダス・ファミリーの一員です」とコメントした。

一方で、スポンサーのメルセデス・ベンツは「我々としてはエジルのメディア、ドイツ・サッカー連盟、スポンサーに対する攻撃を落ち着いて評価している。その後、決断したいと思っています」と話すにとどまった。

スパコン「京」後継、「国産で世界一」の看板下ろす戦略(朝日新聞デジタル)

理化学研究所は4日、スーパーコンピューター「京」の後継機(ポスト京)のCPU(中央演算処理装置)の開発に成功したことを、文部科学省有識者会議に報告した。目標とする2021年の稼働に向け、技術的なめどが付いた。「京」で掲げた「国産で世界一」という看板を下ろし、使いやすさや省エネ性を重視する戦略は、功を奏するか。

【写真】スパコンの進歩は減速している


 「ポスト京」を共同開発する理研富士通が目指すのは、使い勝手などの総合力で世界トップのスパコンだ。

 生体内のたんぱく質の変化をとらえる創薬研究に必要なシミュレーションなどの実用的な計算で、京と比べて最大100倍の性能を達成しつつ、電力消費は3倍程度に抑える。数十キロ四方の都市全体を襲う地震津波の予測や、新材料開発、宇宙の起源を探る研究にも役立つ。

 心臓部となるCPUは、京の技術も生かして国内で設計した一方、生産は海外メーカーに委託した。1個あたりの計算速度は、毎秒2・7兆回。富士通理研によると、現在最速の米インテル製の2倍弱にあたる。省エネ性能も世界最高水準だ。

 ポスト京は、実用計算の性能を競う二つの世界ランキングで1位が見込まれるが、「トップ500」は目標にしていない。こうした方針は、京の反省を生かしたものだ。

 京のCPUは単体の性能はライバルより低かった。「純国産」を掲げ、国内工場で生産したことが足かせになったとみられる。それでも「計算速度世界一」にこだわり、102個のCPUが詰まった箱を864個つなげ、毎秒1京(1億の1億倍)回を記録。11年にトップ500で1位を実現した。だが、翌年登場した米国のスパコンは、速度は京の1・5倍だった一方、電力消費は約6割、設置面積は5分の1に抑えていた。

 計画を率いる理研の松岡聡・計算科学研究センター長は、「(前回は)『オールジャパンで世界一』という昭和的な発想があった」と話す。

台風21号被害 摂津市も復旧作業に追われる(THE PAGE)

4日午後、台風21号の直撃を受けた近畿地方は、各所で強風による甚大な被害を受けた。筆者が住む大阪府摂津市もこれまでにない暴風に見舞われ、戸建ての屋根瓦が飛び、道路沿いの巨木がなぎ倒されるなど激しい襲来を受けた。5日は朝から、電線の工事や倒木の撤去など復旧作業に追われていた。一夜明けた状況を回ってみた。

【拡大写真と中継録画】台風21号被害・大阪・南港は車20台以上横転 5日朝から復旧作業各地で